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【松】猫と六つ子

第39章 ずっと一緒に 後編


<ヒナside>

私は猫になり、母の部屋まで向かった。
何十年も変わらない母の部屋。
父親の部屋は別だ。
ただ、父親はほとんど家にいない。
親子で会話した記憶も少ない。
私はそれが普通だと思っていた。
学校へ行き始めたら、おかしなことだと嫌でも知ることになる。

家を出てから……
私は家族というものを松野家で知る。

なんて幸せな毎日……
壊されるのが怖くて、ここまで来た
覚悟していたのに、結局篭の中に戻りそうになっていた。

私は……



「お母さん」

「貴方……どうやって出たんです?」

「そんなことはいいんです。話を聞いてください」

「聞く意味がありますか?」

「ないです。
それでもいいです。
私は大人です、自分意思で出て行きます。
結婚相手も自分で決めます」

「私があの家を潰すと言ったら……?」

「無理です。
お母さん、あの人達には勝てませんよ?
ここが潰れます」

ここだけは自信持って言えるよ?
六つ子達には誰も勝てない。

「私はこの家が嫌いです。
あの人達に何かしたら、私も戦います」

「何てことを……」

「実際、私に興味などないでしょう?
貴方に愛されてたことなどないもの……
それでも……産んでくれたことは感謝しています。
お世話になりました。
さようなら、お母さん」

……貴方がいなければ、私はみんなに会えなかったもの。
感謝はしているよ?



「兄さん」

母親の部屋からそのまま兄の部屋に向かった。

「なっ!お前、どうやって出てきたんだっ!?」

「どうでもいいです。
それより私の荷物、全部返してください」

「はぁ!?」

「戻さなかったら、外で遊んでること全部情報拡散します」

「はっはぁ!?なっな!」

「じゃ、母をよろしく」

兄は呆然としていた。



よーしっ!帰ろっ♪
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