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【銀魂】柳生家の忍者【男主 原作沿い】

第21章 鬼兵隊編









「………………そと、だ。」



部屋の外に出ると、
大きなテラスに出た。



急に体がぐらりと揺れて、

風がびゅうと吹いて
俺を吹き飛ばそうと包んでいる。



「……………ッ。」


俺は近くの柱に手を置いて耐えて
顔を上げる。




外には青空が広がっていた。
まるで、地上を飛んでいるような…………。




「………ここ、空の上、か?」



ああ、俺の体が揺れたんじゃない。


床が揺れたんだ。








柱だと思ったのは船のマストで、
テラスだと思っていたのは
デッキだったようだ。


揺れる床をうろつきながら

船の外側の手すりから外を見下ろす。



下には海と、小さな街が見えた。



江戸ではないだろうけど、きっと、日本だ。





「………………銀時、若、みんな……。」



怖い、帰りたい、会いたい。



感情がぐるぐると頭をまわり、

海に手を伸ばす。



遠いはずの海はすぐそこに感じた。





今なら、行けるだろうか。



俺の知ってる、江戸に。




もしかしたら、


海に手が届いたら


会えるかもしれない。



海に皆の嬉しそうな顔が浮かぶ。







「……………帰り、たい。」



みんな、待って。



今、行くから。





「…………………。」



海に手を伸ばす。


ああ、まだ届かない。





もっと体を起こして、



手を伸ばせば、




きっと届く。




もう少し、



もう少し、




もう少し………………




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