第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
せやし
「俺もや。
ホンマ皮肉やなぁ
今更こんな所で合うとか…
キッツいわ」
〈ホンマそれな?
電話とか殆どした事無かったのに〉
「いや、それはサクラが
してこんかっただけやん
俺は毎日でもしたいって
誘ってたのになー」
〈そんなん言われても!
てか、ホンマ侑くんは変わらんな
こんな時やのに
チョット笑ってもうたやん…〉
笑いや。
心から笑わせてやれんけど
顔だけでも笑える様に
俺に支えさせてや。
"笑ってもうた"言う割に
声が小さくてくぐもってる
布団に包まってるからか
泣いてるからか。
どっちにしろ
〈侑くん明日…チョットだけ
時間あるかな?
話聞いて欲しい…とか
言うたら迷惑?〉
俺にこんな事
言うとか相当追い込まれてるよな?
まぁ、それは
「…おん。かまへん…ってか
お互い言われへんかった事
ぶちまけへん?!
モヤモヤ詰まって
息苦しいてしゃあないわ!」
俺も同じやねんけど…な。