第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
昨日の夜は
寝付きも何もかんも最悪やった
「ただいま、治おるか?
なんか食いもんないかー?」
姫凪の家を出た後
無駄にゲーセンで時間潰して
軽くなった財布の中身
飯とか残ってへんかと思って
治の部屋のドアをノックする
…返事ない?
もう寝てるってガキか!?
ユックリ扉を開けると
「…お盛ん過ぎか!この猿治ー!」
大量のティッシュと
空になったゴムの外装が放り込まれた
部屋のゴミ箱に
イライラはピークでしかない
「起きろや!このエロ治!
なんか飯ないんか!
腹減っとんねん!」
ゲシゲシと半裸の治の
背中を蹴ると
「…もう、我慢汁も出ん…
明日にしよやサクラ…」
クッソむかつく寝言が返って来た
「…死なす。
100回死ね!この色ボケがーー!」
俺は一回もさせて貰えへんかったのに
全力で拒否られて
お前の名前まで呼ばれて
ほんでほんでほんでーーー!