第6章 新しい命と失われた命
私はそのまま、しばらく動けず、地面を血が出るほど掻いた。
やはり、今の私ではオビトさんは止められない..
それに、あの人は私を殺す気はなかった。
もし、本当に殺したいのであれば私なんて瞬殺だったはずだ。
それを、あえて少しだけ、ほんの少しだけ私の様子を見るように瞬身を使い、警戒させ、技を使わせた後にわざわざ時空間忍術で移動して、手刀で少しの間だけ動けなくした。
恐らく、時空間忍術を使ったのは私に学ばせるためだ。こういう忍術を使うやつもいる。ちゃんと対策をたてたり、すぐに動けるように警戒を怠るなよ、ということだろう。
手刀は、私をあまり傷つけないためのものだろう。一番傷をつけずに眠らせることができるのは幻術だが、私のミナトさん達を守りたいという意思をくんでくれたのかもしれない。
『っ!..』
首を押さえて痛みに堪えながらフラフラと歩き始める。
もしかすると、勘違いかもしれない。私の考えすぎかもしれない。オビトさんのしたことを正当化しているだけなのかもしれない。
でも...
〈...強くなったな..ツバキ〉
この言葉が頭から離れない。
『...オビトさん..』
あなたは...
昔も今も
優しい人ですね...
でも、
『それとこれとは話が違うよね。』
ミナトさんとクシナさんを...
『助けにいこう...』