第12章 木ノ葉へ
3代目と別れて隠れ家に戻ると、変化を解いた。
隣を見ると、アズサも解いたらしく人の姿になっていた。
「...貴方らしいですね」
『?、何が?』
急に苦笑しながらそう言ってきたアズサに首を傾げる。
「名前です」
『ああ』
貴方にとってすごく複雑な名前なのでは?と優しく微笑みながら言ってきたアズサに、眉を寄せ、小さく頷く。
『まあ...けど、どうしても、あの名前を嫌いになれないの..』
冬野雪という名前は、両親がつけたらしいのだ。
何故、両親がつけたのかは分からないし、どういう想いがあってつけたのかも分からない。
もしかすると、戸籍を出すために、とりあえず適当につけた名前なのかもしれない。
けど、...それでも..
私は、両親を愛していたから...
『唯一、私の事を少しでも考えてつけてくれたこの名前を..嫌いに、なれないの』
「...本当に..貴方らしいですね」
そうかな、と言いながら家の扉を開けて入る。
中からは良い香りがして、台所へ行くと、シスイがご飯を作ってくれていた。
「おかえり、ツバキ」
『.....ただいま、シスイ』
優しい笑顔で迎えてくれたシスイに、私も笑顔で答えた。
「恨みたいのに、恨みきれない..あれだけのことをされながら、人を愛することをやめない..そんな、貴方だったから、“この子なら大丈夫”そう思ってお選びになられたのでは?...
ハゴロモ様」