第12章 木ノ葉へ
しばらく父さんと母さんの所で目を閉じて、この3年であったことを色々話し、次の場所へ向かった。
『お久しぶりです...ミナトさん、クシナさん..リンさん...』
サイドで結った髪がバサバサと揺れる。
『相変わらずここは風が強いですね..寒くないですか?』
昔と同じように、慰霊碑の前に座り込み、話しかけた。
『時が流れるのは早いですね...私、もう15歳ですよ?いつの間にかリンさんの歳を追い越してしまいました..この調子じゃ、ミナトさんとクシナさんの歳を追い越すのもすぐですかね?』
そう言って、小さく微笑む。
『私...頑張ります..見ていてください...』
「珍しいのぅ...ここに若い者がおるのは..」
『!!』
急に、後ろから声をかけられた。
懐かしくて...思わず目を細める。
「墓参りか?」
『はい...3代目もですか?』
後ろを振り向かずに言うと、驚いたのだろう、空気が少し揺れた。
『気配を消して此方に近づいてくるなんて..意地悪な人ですね...驚きました』
「そんな風には見えんが?」
『忍は、一切の感情を表に出してはならない...』
そうでしょ?というように振り返り、微笑むと、3代目は驚いたように目を見開いた。
『というか...護衛もつけずにこんなところに来てもいいんですか?』
「...墓参りくらい一人で来たい..そうじゃろう?」
『...火影は大変ですね』
「まあのぅ.....」
久しぶりに3代目と話し、心が穏やかになっていくのがわかる。
「さて...お主がここに帰って来たということは..サスケに危険が迫っているのじゃな?」
やっぱり..3代目は私の正体に気づいていたか..
苦笑しながら一つ頷いた。
『そうです...と、その話をする前に一つ聞いていいですか?』
「なんじゃ?」
『何故、私だと分かったんです?』
首を傾げて聞くと、3代目は、くしゃっとした笑みを見せた。
「わしの......勘じゃ」