第11章 管理人と特訓
『一息ついたところで...これからのことを話してもいい?』
アズサについても色々聞けたし、自分のことも何となく分かったところで、私は二人に問いかけた。
二人は真剣な表情でコクリと頷いた。
『...まず、私はしばらく旅に出ようと思うの』
今の私はまだまだ弱い。これからのことを考えるともっと強くならないと...
『そこで...アズサ』
「はい、お供します」
小さく微笑みながらそう言ってきたアズサに、一瞬驚き目を見開いたが、すぐに微笑み返した。
『ありがとう』
アズサは、恐らく私以上に私の事を知っている。
万華鏡写輪眼やもう一つの私の能力である五大性質変化についても聞きたいこともたくさんあるし、色々アドバイスも貰いたい。
「ツバキ、俺は?」
『...シスイは、ここで、この場所を守ってほしいの』
この場所は結界が張られているため、中々入ることはできないが、念のためだ。
それに、ただでさえ私は死んだことになっているのだ。同じように死んだことになっているシスイを、一緒に連れて旅をするのは大分難しい。
不満そうに私を見つめるシスイを、私も見つめ返す。
「俺は留守番か」
『..だから、ここを守ってもらいたいの...そのうち住人が増える予定だから..』
「アズサは行くのに..」
『何子供みたいなこと言ってるの..』
「俺もお前の側にいたい..どうせお前のことだから何年も帰ってこないつもりだろ」
思わず肩が跳ねる。
バレてた...
困ったように眉を寄せて、何と言いくるめようか思考を巡らせていると、シスイが呆れたようにため息をついた。
「...わかった..お前の言うとおりにするよ、」
『!..いいの?』
あっさり一人だけ残ることを承諾したシスイに少し驚いた。
「どうせ俺が何言っても聞かないだろ?」
「...ここは、俺が守っとくから安心して行ってこい」