第10章 暗い月夜
しばらくすると...
「父さん!母さん!」
「『!』」
サスケの声が聞こえた。
『...イタチ、どうすればいい?』
「...サスケには姉さんも死んだと伝える。..あの場所で待っていてくれ」
『.....了解』
イタチだけがサスケに恨まれるのは嫌だが、イタチの目を見ると何も言えなくなってしまった。
懇願するような..あの目を見ると...
最後に、イタチの頭を優しく撫でると、飛雷神で“あの場所”へ飛んだ。
「兄さん!兄さん!父さんと母さんが!!なんで!?誰がこんなことを!?」
サスケの後ろの扉にクナイを突き立てる。
「愚かなる弟よ...」
万華鏡写輪眼で父と母が死んだ時の光景をみせる。
「ぎゃああああ!!」
倒れるサスケを感情のない瞳で見る。
「どうして...兄さんが...」
「己の器を量るためだ。」
「器を量る...?それだけのために...っ!姉さん、姉さんは!?姉さんはどこにいるんだ!?」
「あの女も...俺の器を量るため、殺した。まあ、明日になれば分かるだろう」
「そ...そんな..姉さんを?...兄さんが?..っっ!!ふざけんなァ!!」
怒りにまかせて飛び込んでくるサスケ、だが、万華鏡写輪眼を受けた身体は思うように動かず、倒れこむ。
「..っ、うそだ。こんなの兄さんじゃない」
最後の...仕上げだ。
「...愚かなる弟よ..この俺を殺したくば恨め!憎め!そしてみにくく生きのびるがいい..逃げて..逃げて...生にしがみつくがいい」
「そしていつか俺と同じ眼を持って、俺の前に来い」