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交わりの祠【R18】

第6章 ★薫の秘め事(~P83)


その日はあまり眠ることができず、翌日はひどい顔だった


対照的に恭子は生き生きとしており、何だかそれが腹立たしい



薫は恭子を避けるように庭を掃除していると



「薫、奏月様の部屋の掃き掃除をしてちょうだい」



不意に菊から声がかかる


それを聞いた周りの使用人がざわつく



「菊様…私は…」


「いいから行きなさい。命令よ」


「かしこまりました」



薫が乗り気じゃないのを見て、周りにいた使用人達が自分が行きたいと声を上げるが


菊に睨まれてすぐに自分の持ち場に戻っていった




…なんで、私なの



薫の気は重い


客人の二人は部屋の掃除はいらないと断り続けていたのだ


なのになぜ、ここへきて掃除等と…



薫は恐る恐る奏月の部屋へ向かった



「失礼します…」



やや小声で襖を開けるが、そこに奏月の姿は無い


ほっとしたのもつかの間



「やっと会えました」



そんな声と共に後ろから抱きしめられていた



「薫さん」


「…っ!?」



この声は間違いない、奏月だ


その腕から逃れようともがくが、結局奏月の部屋に入ってしまう


襖が閉められ、部屋に二人きり


薫は奏月に振り向かされ、向かい合っていた



「薫さん、何故私を避けるのですか」



そう言ってまた薫を抱きしめる


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