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【黒バス】幼馴染み。【赤司】

第4章 04


 一人で夕飯が用意出来なければ食べれない、なんていう年でもなく、相手はあの赤司征十郎なのだし尚のこと自分でこなしてくれることだろう。
手紙を机の上に戻し代わりに携帯電話を手の中に納める。麦茶は離さない。
今の私に一番の癒しをくれるのだから手離せるわけがない。

 操作する携帯電話で起動させたのはメール画面。宛先は幼馴染み。
内容は飾り気もなく簡潔なもの。


 聞いているかもしれないけど、お母さんたちが出掛けていて夕飯がありません。各自調達ということで。


 そうした用件のみを送った。
彼はきっと今日も部活だろう。
昼食時も過ぎたこの時間だ、携帯電話をいじれる休憩時間は終わっているはず。
送ったメールを確認するのは部活終了後になるのだろうが、部活帰りにコンビニへ寄るなりデリバリーを頼むなり方法はいくらでもある。心配はしない。
いや、自分のことに関しては途端にずぼらになる彼は少しだけ心配かもしれない。
エネルギー摂取していれば問題ないとか言いながら十秒チャージ出来るゼリー飲料でも口にして終わりそうだ。
負けずにずぼらな自分の食事に関しては棚に上げておく。
私はまだしも、スポーツに身を置く赤司は食事バランスも考えた方が良い。

 一人で食事なんて自分の都合で押し付けてしまったけれど少しばかり早まってしまっただろうか。
頭を左右に振って無理矢理に心配を消す。
赤司は大丈夫に決まっている。
思い込むことで自分の行動を擁護した。
グラスの中に残った麦茶を一気に飲み干して自分のするべきことを脳内に羅列していく。
私が今しなければいけないことは、幼馴染みとの距離を確かなものとするために受験勉強を頑張ること。

 送信完了の文字が液晶に浮かんだことを確認してからスマートフォンの画面を消した。
エアコンをタイマー設定しておいて自動的に電源が落ちる仕組みにしておく。
直ぐに消さないのはリビングに再び足を運んだ時のことを考えて涼しい状態を保つようにして腰を浮かせた。
どうにもテレビを見る気分ではない。
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