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爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇

第5章 悪意 中國山地


 思わず聞いてしまったが、子珍は恐らく知らないはずだ。三沢は思った。宇喜多はあくまで自軍での大島侵攻を狙っていたのであり、そこへ中共顧問を関わらせるつもりはなかったのである。来日当初とは打って変わって最近人が穏やかになった許は顧問団が属する大坂との関係を密にしているため、内々に別儀が下りたのであろう。慎重な許は部下達を適当に言い含めて作業に駆り立てるだろうが、その真意は直前になるまで理解できやしない。まして軍事作戦なら決行されれば勝敗以外誰も気にしないのだ。許は結局、そういう手合いの人物で、加えて、他の傭兵達のセレモニーには顔を見せない三好秀俊が来ているのはこのためかも知れない。ふとそう思った。

「大島への攻撃に許少校や上尉は参加するのかな?」

「うーん、どうなんだろう?」

 子珍は本当に何も知らないようだ。

 …これ以上、無駄か。三沢は適当な所で話を切ろうとした。

 すると、今度は子珍が話を振ってきた。

「ところで三沢くん?」

「はい?」

「境港に来たアレなんだけど、アレって何入ってるの?」

「アレ…?」

「ほらほら、砲無しのBMP-2! その中身ってなあに?」

「…ごめんなさい上尉。正直何言ってるかunderstand出来ません」

「むぅ、何で!?」

 言っている事が伝わらなくてふくれる子珍に苦笑いするしかない三沢だったが、そもそもBMP-2は大坂の師団にしか回らない代物で、山陰陽にそんな物が入って来るとは思えない。

(傭兵共を積んだ便でBMP-2が? んな話聞いてない…傭兵?)

 三沢は少し意地汚くなった。

「上尉、正直に言います。私は境港にBMP-2が入って来ているなんて聞いてはいない」

「え、うそ」

「本当です。そもそもBMP-2は大坂の本隊しか使っちゃいないし、ウチはBMP-1の改修タイプで一応間に合っているからね、御存知の通り。一輌だけ送ってくるのもおかしな話だ」

「…あれ、でも少校が」

 かかった。三沢は手応えを得た。

「許少校がどうしたの?」

 三沢はどうにも腑に落ちないといった具合の子珍から漏れた言葉に食い付いた。子珍はつい、しまった、と言わんばかりの顔をした。

「ええっと、ええっとね」

「ん? どうしたんです、上尉?」

「ええ…っと、ね。…ん・・・・・うぅんと…」
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