第1章 Love Triangle
「ソウ、帰るぞ」
楽屋の片付けをし、大和は壮五に声をかける。
「あ、すみません。僕ちょっとスタッフさんに聞きたいことあるので先に戻ってて下さい」
「??分かった。陸~、お前も急げよ。この後まだ仕事だろー」
「はいっ!今行きます!」
「じゃぁソウ、お先」
「壮五さん、お疲れ様です!」
「はい。お疲れ様でした」
壮五を残し、大和と陸は楽屋を出る。
一方、TRIGGERの楽屋・・・
「あれ?姉鷺さんは?」
いるはずのマネージャー姉鷺が居らず、不思議に思う3人。
「あ、ラビチャ入ってるよ」
龍之介がスマホを確認する。
「急用できたから先に事務所戻ってるって。3人とも寄り道しないで帰宅すること・・・だって」
「寄り道って、ガキじゃねぇっつーの」
「今日は珍しく皆終わりだっけ?」
「そう。じゃ、ボクは先に帰るから。お疲れ」
そう言った天は、さっさと楽屋を出る。
「ったく。相変わらずはえーな。龍、せっかくだから飯でも行くか?」
「えっ?あ、ごめん。俺ちょっと・・・」
「何かあるのか?」
「うん。今度出るドラマの事でプロデューサーさんに聞きたいことあって・・・」
「そうか。じゃ、飯はまたな」
「うん、ごめん」
「お先」
「お疲れ」
楽も龍之介を残し楽屋を出た。
「八乙女さん!お疲れ様でした!」
そこに、隣の楽屋から陸と大和が出てきて、陸が挨拶をしてきた。
「おぅ七瀬、お疲れ」
「天にぃ帰りましたか?」
「あぁ。いの一番にな」
「そうですか・・・」
あからさまに寂しそうな表情になる陸。
「あー、まだ追いつくかもしれないぜ?」
いたたまれなくなった楽がそう言うと、陸は表情を明るくし、「大和さん!俺先に行きますね!八乙女さん、お疲れ様でした!」と言うと走って行ってしまう。
「あー・・・なんだ?七瀬はまるで小型犬だな」
「可愛いやつだよ。九条と双子ってのが信じられないくらいにな」
「天も、たまに可愛いんだけどな」
「そうなのか?」
「たまにな。たまーーーに」
楽の溜め具合に、大和は吹き出した。