第1章 Love Triangle
数日後・・・。
「何でこの面子・・・」
クイズ番組の収録に、壮五と陸と共に来ていた大和が呟く。
「天にぃ!」
「陸。仕事場では九条さんでしょ?」
「あ、ごめんなさい。九条さん、今日はよろしくお願いします!」
「よろしく」
デフォルトな会話を繰り広げる陸と天をよそに、どこかぎこちない空気を漂わす一角。
「どうしたの?大和くん」
龍之介が大和の異変に気付き声をかける。
「いや、何でもないです」
「お前、今日は俺達と一緒だって知らなかったのか?」
楽が嫌味っぽく言う。
「八乙女さん。今日本当はナギくんの予定だったんです。それが直前でモデルの仕事が急に入っちゃったので、オフだった大和さんがピンチヒッターとして来た次第です。それに、僕も伝え忘れてしまったので僕の責任でもあります。すみません」
壮五は申し訳なさそうに頭を下げた。
「壮五くんも大和くんも悪くないよ」
「そうそう。悪いのは事情も汲み取れない楽」
いつの間にか輪に入っていた天。
「六弥ナギがいない時点で気付くでしょ」
「・・・うるせぇな」
「まぁまぁ。大和くんはオフなのに大変だったね」
「いえ。困った時はお互い様ですから」
「偉いなぁ」
柔らかく微笑む龍之介に、ほんの少し赤くなる大和。
本当にほんの少しだったのだが、あの彼はそれを見逃さない。
「へぇ・・・」
ニヤリと笑うのは、そう、九条天。
まるで面白いものを見つけたような笑みを浮かべていた。