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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第8章 裁判



「この旗は、かつて有名な聖女が持っていた、希望の旗だったらしいな。―――――皮肉なものだ。」
 酷薄な笑みを浮かべながら、どこか恍惚とした表情で、敵が私にそう言った。
「小娘。今からお前は、この旗で串刺しにされ、火炙(ひあぶ)りとなるのだ。救世主を気取る偽善者には、むしろ光栄な末路だろう?」
 確かに、私は偽善者かもしれない。自分を守るために、時として他人を切り捨てたこともあるだけではなく、そこから目を背けてきたのだ。その罪は、きっと重いのだと思う。それでも私は、こんなところでは、終わりたくない。カルデアに帰る。共に戦い抜いた『仲間』がいる場所へ、帰りたい――――!

「さぁ死刑囚よ。刑罰を受け入れる心の準備はできたか?」
 敵は、旗の穂先をこちらへと向けてくる。それに合わせるようにして、狂気を纏(まと)って嗤(わら)いだす、『人間のような存在』達。この空間の全てが異様であり、私にとっては絶望的な状況だ。
 でも、私の手には、まだ希望が、こんなにも残っている。信じている。必ず、私のもとへ来てくれるって―――――!


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