第17章 第3部 Ⅲ ※R-18
「ごめん、アヴェンジャー。」
私は、片膝をついているアヴェンジャーの前に屈んで、その両頬を自分の両手で包んだ。そして、そのままアヴェンジャーの唇に、自らのそれを重ねた。アヴェンジャーは、特に抵抗なくその行為を受け入れてくれた。
「……!?」
かと思いきや、何の前触れもなく、私の後頭部にその右手が回される。
「……!? ~~~!?」
一度唇を離されたかと思うと、今度は口内を思い切り吸われるようにして、深くキスされる。私のナカから、魔力が抜き取られる感覚がして、軽く眩暈がした。そこで、ようやく唇は離された。
「……っ。ハァ……、ハァ……。これで一先ずは動ける。戻るぞ、マスター。」
動ける、そう言ったはずのアヴェンジャーは、誰がどう見たってふらついていた。
それでも、アヴェンジャーと私は、急いでその場を離れ、あの個室へと戻ったのだった。