第4章 2人の距離 4
「いやー。…でも結婚となると事務所が絡んで来るからな。俺らの場合」
そう。
それが一番気がかりな事。
実際歳も歳だし年齢を考えたら既に子供が居てもおかしくない年齢になったので世間一般的には全然問題ない
親も納得してくれるだろうし、メンバーも何とか説き伏せれば納得してくれると思う。
問題は俺たちがアイドルであって芸能人であること。
「それはさ、事務所の中の人から口説き落として行くしかないでしょ」
俺がそう言うとギョッとした顔で、それ、怖いこと言うなよ。と自分の肩を抱いている相葉さん
「だってさ、何があっても俺は嵐辞められないのよ?…俺の殆どは嵐とゲームで成り立ってんだからさ」
ククッと笑いながら言うと、だよな。と笑う相葉さん
「とりあえずさ。そういう思いがあんなら事務所に知られる前に他の3人には話を通しとかないとな」
つまみを頬張りながらそう言う相葉さんに、そーねー。と答えた。
そんな軽く答えていたけど自分の考えていたタイミングとは違ったタイミングで知られる事になる。
相葉さんにあの話をした後、まだ暫くは黙っておいた。
この問題は今のところはゆっくりと進めていきたい。
そろそろ話す段階かなー。とか思い始めていたところにそんなきっかけが出来てしまった。
そしてとんでもない形で知られる事になった。
ある日、俺は由梨の家から仕事に行く為、時間も差し迫っていて朝から動かない体をいそいそと支度をしていた
「えっ!?い、いまですか?」
誰かと電話をしていた由梨が突然声を張り上げるので思わずビクついた
なによ。と口パクで抗議すると難しい顔をしている由梨
なんなんだよいったい。と首を傾げているとインターホンがなった。
少し溜息をつき、今開けますと言って電話を切りオートロックを開ける由梨
「え、誰かくんの?」
それに対して、楓さんです。と困った顔をする。
あぁ。と納得すると、すみません。と謝る由梨
「由梨は悪くないだろ」
そう言うが、どうしよう。と困っている由梨が面白くて思わずニヤついてしまう。