第4章 2人の距離 4
「最近さ、どうなんだよ。由梨ちゃん」
仕事終わりに相葉さんとご飯を食べに来て、お酒もそろそろ進んで来たなというところにそんな事を聞かれた。
あれからは毎日のように由梨の家に入り浸っている。
洋服やら必要な物も持ち込み出して知らないうちに俺専用の引き出しまで出来ている始末。
どうなんでしょう。とニヤつくと、これは何かあるな。と何故か相葉さんが嬉しそうに腕組みをする。
「なんか、あんた楽しそうだね」
そう言うと、また振られたか!と失礼な事を言う
ムカつくのでついつい本心を話してしまう俺も俺なんだけど
「俺さ、今考えてることあんのよ」
タバコに火をつけながら言うと、え?なに?と顔が真剣になる。
多分俺が真面目に話してるって気づいたのだろう
「聞くけどさ、…結婚するなら。やっぱり最初は翔くん辺りじゃないとまずいかね」
俺の言葉に、おい。マジかよ。と呟き暫く押し黙った
メンバーの意見を聞きたかった。
相葉さんは難しそうな顔をした後お酒をグイッと大きめな一口で飲み込んだ
「ニノがそんな事言うなんてさ。…もう固まっちゃってるんでしょ?気持ち」
流石だな。
伊達に中学生から一緒にいないなこの人。
「…そう、だね。ぶっちゃけ決まってる。」
「由梨ちゃん知ってんの?」
そう言う相葉さんは今日はやけに鋭いなとフッと笑うと、お前は本当に。と呆れ顔
「もうね。俺の中では計画が動いてるから」
ニヤっと笑いながらそう言うと、何それ。と言う相葉さん。
「最後まで言うつもりはないからね。…由梨に言うなよ勝手に。」
相葉さんは顔だけでバレる可能性がある。
釘を刺すように言うと俺の言葉に驚いたのか、はぁ⁈と言いだす。
「いやいや、待ってよ。何でよ。2人の問題だろ?由梨ちゃんの気持ちはどうすんだよ」
それはないだろ。と言う相葉さんにハハッと笑い返した
「あー。その問題は大丈夫。…分かってるから。」
言っている意味がわからないのか、どういうこと?と聞き返す相葉さん
「あの人ね。わかりやすいのよ。…ついでに言うとそういう状態になったらどう言うかも何となくわかる」
それを思い浮かべてハハッと笑うと、お前気持ち悪いな。とつられて笑う相葉さん