第4章 2人の距離 4
そして視線を上げて由梨を見つめるとまたとんでもない発言を聞いてしまう。
「あの!大丈夫です!!もうそれから一度もそんな事ないですし、お酒にも免疫ついてると思います。それにあの時は楓さんに煽られて飲んでいただけなんでニノさんは安心してください。…だから。もう飲みに行かないとか言わないでください」
ウルウルと。
多分させてるつもりないんだろうけど。
今ので俺のHPはかなり削られてるけどね。
色々可愛いし、もはや飲ましてやろうかとも考えてしまうこの発言をしっかりと飲み込みそして吐き出す頃には弄り倒すような言葉だった。
「まず2つ気になったんだけど。」
2つ。ですか。と何か説教でもされるのかと身構える姿にニヤニヤしてしまう。
「1つは、そんなこと全く考えてなかったよ。由梨に襲われるなんて。そっかー。俺襲われちゃうのかー。」
いや大歓迎なんだけど。と内心思いながらも由梨を盗み見るとかなり焦った顔で、うぅ。そんな事は二度と。とか言ってるので吹き出してしまった。
吹き出した俺を見てびっくりする由梨は本気で反省していたようで、えっ?、とフリーズしていた。
「ごめん。ごめん。大丈夫。今までの飲み会でも由梨の飲み方見てるし。もし万が一そんな事になったとしてもちゃんと後悔しないように手配しとくわ」
想像したのか、ぼんっ。と音がなったかのような照れ具合で、あらあら。変態。とまた弄るとまた声にならない声で困っていた。
「クフフっ。。お願いだよ。面白すぎだからもう勘弁して」
そう言うと何故か、すみません。と反省しだしたので2つ目の気になるところを話だした。
「もう一つはね。飲みに行かないなんて選択肢ないから安心して。」
その言葉にさっきまでしゅんとしていたのに、え?とちょっと嬉しそうな顔をするので、ははっ。と笑う
「だって。こんな面白い人と飲めなくなる方がよっぽどつまらないから」
「ニノさん。もしかして。弄ってますか?」
そこでやっと気づいたのかそんな事を言うので、やっと気づいた?と正直に答えると、はい。と困り顔をして笑っていた。