• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




その人は、

家族より、ふるさとより、
大切な人との人生を選び、

すべてを捨てて新しい人生に懸けたのに
その大切な人を病気で失った人。

想いを込めてつけた名前の店で
一人で頑張っていて、

だけど生き甲斐を失って
なかなか前に進めなくて、

弱さと寂しさと切なさと
頑固さと芯の強さを
俺にそっと見せてくれながら、

俺においしい飯を作ってくれる、

俺より年上の、


つまり、

母さんと綾ちゃんを
足して2で割ったような人、だった。



俺がその人の寂しさに
自然に寄り添えたのも、

その人に惹かれたのも、

その人の想い出全部を
一緒に受け止めてあげたいと思ったのも、


大人の世界を見ながら、
いろんな形の
家族や愛情に囲まれて育った俺にとっては
とても自然な流れだったんだと思う。


…つまり、
俺がこの人に出会えたのは、

俺の"両親"から受け取った
人の縁のバトン、なわけで。






/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp