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2人の距離

第3章 2人の距離3



お風呂に浸かりボーッとさっきの出来事を思い返しているとふと目に入ったのは和さんが愛用しているボディークリームだった。

もうこの家には何処にいても和さんの面影がある。

別に一緒に住みましょうとか。

同棲、同居などちゃんとした決まり事はないのだけれど和さんとの生活はとても快適だ。
お互いの生活リズムとか全く違うのに苦痛に思った事がない。

ヒロトとの同棲は苦痛だらけだった
きっと波長が合わなかったのかな。
今はそんな事を考えられるまで気持ちに整理が尽きつつあった。


お風呂から上がり髪も乾かした頃にはリビングには電気がついてなく寝室でうつ伏せになりながら携帯を弄る和さんがいた。
その隣に素早く入り込みピタっとくっ付いて目を閉じると和さんも携帯を置き私をぎゅっと抱きしめた。
私もそれに答え抱きしめ返すと、何かあった?と聞かれた

「どうしてわかるんですか?」
少し驚いて言うとフフッと笑う和さん

「だって、由梨いつもより俺と居たいみたいだし?」
そう言って私の頬を撫でる和さん

確かに自分からくっ付いたり積極的に抱きしめ返すのはあんまりない。
頭で考えていたことが自然に行動で表現してしまったみたいだ。
少し恥ずかしかったが、その気持ちを抑え込み輝さんの話をする。
和さんはたまにぎゅっと抱きしめている力を強くしたり、頭を撫でたりしながら私の話を聞いていた。

そして輝さんに告白された話に差し掛かると、ん?ちょっと待って。と言われて話すのをやめると、はぁぁとため息を漏らす和さん。
え?なんですか?と聞くと苦笑いしていた

「いや、俺のライバル何人いんだよって思って。」
意味がわからないという顔をすると続けて言われたのは衝撃的な話だった

「俺でしょ?楓ちゃんでしょ?雪乃さんでしょ?…あとその輝さんって人?随分おモテだこと。」
そう言ってニヤつく和さん

「え?…いやいやいや!なんか色々間違ってますよ!楓さん女性だし!」
楓さんを否定すると和さんはフフッと笑う

「いや、男だから。そもそもね。…ていうかあなたプロポーズされてんでしょ」
そう言う和さんに驚いた

「な、なんでそれ知ってんですか?」
楓ちゃんに聞いたと言う和さんに、それはそうだろうけど。と仕方なく諦めた。
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