第5章 ばにら ~ ファンタジー ~
おばあさんが、お兄さんに声を掛ける
「相葉くん、いつも美味しいクッキー有り難う。たまには一緒にお夕飯どうかしら?」
クフクフ。
その日の夜、お店からお家までの移動は
いつものおじいさんの手の中じゃなくて
相葉さんの手の中なの。
嬉しくて嬉しくて
顔がニヤケちゃう。
おばあさんが作った夕食を
美味しい美味しいって食べた相葉さんは
またボクを抱っこして
「かずは本当に可愛いなぁ」
なんて言ってくれるんだ。
あっ!忘れるところだった!
ってカバンの中から取り出したクッキー
「かずにも食べられるように
余計な物は入れてないよ」
小さく小さく砕いて
そっとボクの口に運んでくれた。