第1章 はちみつ
N side
真っ赤な顔してウルウルな目を真っ直ぐ向けてくる。
可愛いなぁなんて、こんな時に不謹慎だよね。
S 「かず・・。飲ませて?」
首を傾けて呟いてきた。
はぁ。無自覚ですよね、そんな蕩けた顔を私以外に見せたら許しませんよ。
気を遣って他のメンバーが楽屋からそっと出て行ったのを確認して
急いでペットボトルを開けて水を口に含み
翔さんの唇を塞ぐ。
元々赤くてぽってりした唇は
熱のせいか燃えるように熱かった。
風邪薬を口に含み飲ませて
また水を口にする。
数回繰り返すと飲みきれなかった水が
翔さんの顎を伝い首筋に垂れて行った。