第41章 そらもよう
放課後、廊下に出るとアイツが笑顔で駆け寄って来る。
『ねぇ翔ちゃん!今日の晩ご飯ハンバーグで良い?母さん仕事で遅くなるってメール来てたから僕が作る!』
「かずの作るハンバーグすげぇ美味いから楽しみだわ。部活終わったら急いで帰るよ。」
ニコニコしながら俺に手を振って、アイツは帰って行った。
アイツの名前は、かずなり。
俺の双子の弟。二卵性双生児ってやつで顔も全然似てないし性格だってまるで違う。
それに毎日サッカー部の練習でグラウンドを走り回ってる俺は日焼けして真っ黒なのに、帰宅部で家に帰ってゲームをするのが趣味のかずは色が白くて華奢だ。
兄として守ってやらなきゃって子供の頃から思ってた。
いじめっ子に泣かされた時だって、公園で転んでケガした時だって、いつも俺が助けていたんだ。