第29章 さらさら
S side
テレビ局の楽屋、今日もやっぱり一番乗り。
5人での収録の日は特に早く来ちゃう。俺って嵐大好きだから。
でも何より大好きな潤に会えるのが嬉しいからなんだけど。
新聞に目を通しながらチラチラとドアを気にしていると、眠たそうな顔をしながら潤がやって来た。
「おはよう!」
俺は立ち上がって潤の目の前まで行く。いつも2人きりならギュッて抱き締めてくれるから。
今日はまだ俺達だけだし良いよね?
だけど今日の潤は抱き締めてくれるどころか俺と目も合わせてくれない。
どうして?俺のこと嫌いになったの?