第44章 〜44〜番外編③
「じゃ、俺はこれで」
「あ、家康も心配してくれてありがとう」
「……別に。優鞠が面倒に巻き込まれないか見に来ただけだから」
「ふふ、そっか」
家康は小さく笑うと、すたすた歩いていってしまった。
「……そう言いながらも来てくれる家康って優しいよね」
「ふふ、そうでしょ」
「惚気?」
「そんなことないよ……」
「ふふ」
少し頬を染めた優鞠と笑い合う。
「ほら、今日から仕事だろ?」
「あ、うん。」
「頑張れよ」
「政宗も。また後でね」
「あぁ」
政宗は私の頭を軽く撫でて、御殿へと戻っていった。