第44章 〜44〜番外編③
私が政宗と一緒に部屋へと戻ると、心配そうな顔をした優鞠と呆れた顔の家康が待っていた。
「……」
優鞠は私を見つけると、すぐに駆け寄ってきた。
「大丈夫……?」
「優鞠……もう大丈夫だよ。さっきはごめんね?」
「ううん、それならいいんだけど……」
優鞠はちらりと政宗を見上げた。
「優鞠、さっきは悪かったな」
「いえ……」
「もう大丈夫だ。安心しろ」
政宗が微笑むと、優鞠はほっとしたようで力なく笑った。
「よかった……」
「だから言ったでしょ、そんなに心配しなくても大丈夫だって」
家康は優鞠に歩み寄ると、優しく肩を叩いた。
「だって、あんな険悪な雰囲気だったから……」
「この2人が別れると思えないけど」
「別れる?」
私がその言葉にぽかんとしていると、家康が溜息をついた。
「優鞠が俺の所駆け込んできて、2人の空気が険悪だっていうから」
「だって……政宗様が凄く怒ってるように見えたから……」
「まあ……険悪に思えても仕方ない感じだったよね……」
「ああ、そうだな。まあ、でも」
政宗は私の腰を引き寄せて笑った。
「家康の言う通りだ。そう簡単にと別れるなんて有り得ない」
「政宗……」
「ほら。心配するだけ無駄だってこと」
「……よかったぁ……」
「優鞠……ごめんね。心配してくれてありがとう」
「ううん。安心した。」
優鞠は安心したように私を見て微笑んだ。