• テキストサイズ

イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第44章 〜44〜番外編③






4人が去って暫くした後、天守の襖が静かに開かれた。
信長が視線をやると、東雲が立っていた。




「何をしに来た」

「……お別れを言いにきたの」

「らしくない事を」

「ふふ」


東雲は微笑みながら信長の隣りに腰掛けた。


「……振られたわ」

「知っている」

「でしょうね」

「そんなにあいつに惹かれたか」

「……ええ。花魁になってから、助けられたと思ったのはあの子が2人目よ」

「2人目……?」


信長は疑問に思って東雲をちらりと見た。


「1人目は貴方」

「…………」

「私が男を好きじゃない事を見抜いたのは貴方が初めて。それも私の仕事中にね。」

「そうか」

「ええ。それに、私を褥に呼んでおいて、抱かなかったのも貴方だけよ?」

「それが助けたことになるのか?」

「私にとってはね」


東雲はするりと信長の腕を撫でた。


「ありがとう」

「……別にお前の為ではない。あの時は興が冷めただけだ」

「……そんなこと言って、あれから何度城へ来ても、毎回形だけ整えて1度も私を抱かないじゃない」

「………」

「優しい人ね」

「ふ、戯言を言うな」

「ふふ。……それじゃ」

「ああ、達者でな」




東雲はゆっくり立ち上がると、静かに天守にを後にした。






/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp