第44章 〜44〜番外編③
「政宗……」
「ん?」
「ごめんなさい。嫌な思いさせて、不安にさせてごめん。」
「もう気にするな。」
「うん……」
私は政宗に抱き着いた。
政宗も抱き返してくれて、心底ほっとした。
「嫌われたかと思った……」
「嫌う?」
「政宗に……」
「嫌えたら楽かもな」
「…………」
「お前を愛してるからこそだ」
「……これからも、私の頭を駄目なとこ見つけたらすぐ言ってね」
「じゃあ……」
「……なに」
「お前は、俺に愛されてるってもっと自覚しろ」
「……わかってるよ?」
「いや、わかってない。」
「……なんで?」
「俺がそう簡単にお前を嫌えるわけないだろ」
「っ……」
「例え、お前になら殺されたって嫌える気がしない」
「そんな、私が政宗を殺そうとするなんてありえないから……」
「例え話だ。それくらいお前に惚れ込んでるんだ。今回位のことでいちいち嫌われた、なんて不安に思うな」
「……うん。」
「分かればいい」
「政宗……」
「ん?」
「私も、政宗の事愛してるよ」
「……あぁ」
「愛してるから不安になるの……」
「……」
我慢していた涙が溢れて、頬に零れ落ちた。
「政宗に嫌われたら……生きて行ける自信ない……」
「そんなの俺もだ。」
「……うん」
「だから、何かあればこうやって話し合ってひとつずつ不安を無くしていけばいい」
「うん」
「もう泣くな」
政宗は指で私の涙を拭ってくれる。
その手の優しさにまたほっとした。
「……政宗と出会えて本当によかった……」
私も政宗の頬に手を添えて言った。
「ああ、俺もだ。」
「……ふふ、これからも宜しくね」
「こちらこそ」
そしてどちらからでも無く唇を重ねた。