第44章 〜44〜番外編③
「おう、よく来たな」
「お邪魔します」
政宗は私達を招き入れると、座るように促した。
「政宗様、お招きありがとうございます」
優鞠が頭を下げると、政宗は優しく笑って言った。
「楽しく飯を食うだけだ。そんなかしこまるな」
「そうだよ優鞠。政宗さんには適当でいいよ」
「そ、そんなわけにいかないでしょ?」
「ふ、優鞠。こういう時は女中だってこと忘れろ。お前はの友達。だろ?」
「そうだよ、優鞠」
「……う、うん」
優鞠は困りながらも頷いてくれた。
4人で机を囲んで食事を始める。
今までこうやって彼氏と友達とその彼氏とで食卓を囲む経験など無かったので、どこかふわふわとした気持ちになった。
家康もやっぱりどことなく楽しそうで、優鞠も笑っている。
「……楽しいな……」
「何か言ったか?」
「ううん、何でもないよ」
「……って、よく1人でにやにやしてるよね」
「にやにやって言わないでよ。微笑んでるの」
「ふふ、、幸せなんでしょ?」
「そう。やっぱり優鞠はわかってくれるよね」
「うん。見てると幸せそうなのが伝わってくるもの」
「そう?」
「別にいいけど、何でも顔に表れるよね」
「え、そうかな」
「うん。優鞠もだけど。」
「え、私も?」
「そうだな、特にはわかり易すぎる」
「そうかな……」
「ああ、何考えてるかすぐわかるからな」
政宗は私の頭をクシャッと撫ぜながら笑いかける。
「だからお前は光秀に馬鹿にされるんだぞ?」
「そうなのかな……(……それはなるべく気を付けよう……)」
「今、気を付けようって思ったでしょ」
「……なんでわかったの……」
「顔に書いてある」
「……駄目じゃん……」
「ふふ」
「はぁ……」