第44章 〜44〜番外編③
家康の御殿に着いて家臣の人に声をかけ、2人を呼んでもらう。
「あ、優鞠」
「」
私を見ると、優鞠は嬉しそうに駆け寄ってきた。
「昨日はどうだった?楽しめた?」
「うん、おかげさまで」
「よかった」
優鞠と笑いあっていると、後ろから家康がやって来た。
「、お誘いどうも」
「ふふ、どういたしまして。まあ、私は少し手伝っただけだから、それは政宗に言ってあげて?」
「はいはい。行くよ」
家康は小さく微笑むと歩き出す。
(なんか、機嫌良さそう)
優鞠と後を追いかけるように歩き出す。
「家康、なんか機嫌いいね」
「ね。政宗様がつくる料理は美味しいから嬉しいみたい」
「へぇ、なんか可愛いね」
「ふふ、聞こえたら怒るよ?」
優鞠と笑い合うと、家康がくるりと振り返り、不機嫌そうに呟く。
「聞こえてるから」
そう言うとプイっと前を向いてまた歩き出す。
「……やっぱり可愛い弟みたいなんだよね」
「ったら……」
今度は小声で話して、優鞠と2人でこそこそ笑いながら着いていく。
(ったく……全部聞こえてるから)
家康は聞こえないふりをして歩き続けた。