第44章 〜44〜番外編③
黙々と縫い続けていると、コトンと机にお茶が置かれて、政宗の御殿に居ることを思い出した。
「あ、ごめんね」
「何がだ?」
「せっかくお休みなのに………」
「気にするなって言ったろ。俺は縫い物してるお前見てるだけで楽しい」
「それならいいけど……」
「ほら、俺の事は気にせず続けてろ」
政宗は照月の頭を撫でながら優しく言った。
「ありがとう……なるべく早く終わらせるね」
「あぁ」
照月と遊ぶ政宗も絵になるな、なんて思いつつ手元に集中する。
2つの桜の花から、ヒラヒラと花弁が舞い落ちるデザイン。
再びまた会えますように、と願いを込めて縫い付けた。
(よし、後は外側縫えば完成だ)
ラストスパートをかけて縫い終わると、政宗は照月をお腹に乗せたまま寝ていた。
照月もお腹の上ですやすや寝ている。
「待たせ過ぎちゃったな……」
急いで道具を片付けて、政宗の側へ静かに腰掛けた。