第43章 〜43〜番外編②
夕餉が終わり、部屋の縁側に腰掛けた政宗が私を呼んだ。
隣に行くと、腰を抱き止められて胡座をかいた上に座らされる。
「ふふ、ほんと幸せ……」
「お前、風呂でもそれ1人で言ってなかったか?」
「え、嘘、聞こえてた?」
「ああ。しっかりな」
ニヤリと笑いながら政宗が言う。
「だって、お風呂も景色が良くて、お城より湯船広いし、嬉しくて」
「ふ、昨日から喜んだり泣いたり困ったり、忙しい奴だな」
「だって……」
「まあ、だからこそお前と居ると退屈しない」
「……そう?」
「ああ、お前と居ると色んな事が起こって退屈する暇がない」
「……私も、政宗と居ると退屈しないよ?」
「そうか?」
「うん。会えれば毎回嬉しいし、話しても……こうやって触れてもらうとドキドキして幸せだし……」
政宗は私の髪を指で弄りながら何処か嬉しそうに聞いている。
「それで?」
「……昨日のね、喧嘩ですら……幸せだった……」
「へぇ……」
「喧嘩しても……なんて言うか……その分お互いが分かり合えた気がしてますます幸せだなって」
「、お前相当俺に惚れてるな」
「知らなかった?もう政宗無しじゃ生きていけない位に惚れてるよ?」
「じゃあ、幸せで死なないように気をつけろ」
「ふふ、そうする」
頭を持ち上げて、政宗の顎に小さく口付けする。
「お前段々と慣れてきたな」
「慣れてきた?」
「最初は口付けする度に顔真っ赤にしてたくせに」
「そりゃあ慣れるよ。でも、ちゃんと毎回ドキドキしてる。」
「それは俺もだ」
政宗の胸にそっと耳を寄せると、普段より早い鼓動が聞こえて目を閉じる。
「……安心する」
「……そうか?」
「うん……ちゃんと一緒に生きてる……」
「当たり前だろ?死んでも離さねぇ」
「うん……」
顎を持ち上げられ柔らかい口付けが降ってきて、私はゆったり目を閉じて幸せを噛み締めた。