第43章 〜43〜番外編②
風呂場から出ると、政宗が壁に背を預けて待っていた。
まだ髪は湿っていて、暑いのか浴衣の前を少し広く開けている。
(湯上り……色っぽすぎるでしょ)
「おう、上がったか」
「うん。待たせてごめんね。先に部屋に戻ってて良かったのに」
「いや、俺も今出た所だ」
「ほんと?」
「ああ」
ふわっと笑いながら手を取られて歩き出す。
(……今の、柔らかい笑顔が1番好きだな……)
つられて私も笑いながら歩き出す。
部屋に戻ると、夕餉が支度されていた。
「わあ、美味しそう……」
「だな」
机に腰掛けると、女将さんが部屋に来て料理の説明をしてくれる。
2人で真剣に聞きながら、綺麗な料理に箸をつける。
「……美味しい……。幸せだぁ……」
私がそう呟くと、女将さんは嬉しそうに笑った。
「ふふ、ありがとうございます。では、ごゆっくりお過ごしください」
女将さんが下がったあとも、これは城でも作れそうだとか、この料理は誰がが好きそうだとか、料理についてのあれこれで盛り上がる。
「ふふ」
「なんだ?」
「料理の事話してる時の政宗、すっごい楽しそうな顔するよね」
「そうか?それを言うならお前だってそうだろ」
「ふふ、楽しいね」
「ああ」