第43章 〜43〜番外編②
着物や帯を選び終え、着替えようとすると、襖が開いた。
「、ただいま」
「優鞠!いいところに!」
「うん?なに?」
「髪の毛……やってくれない?」
「髪の毛?何処か出掛けるの?」
「うん。政宗と城下で待ち合わせしてるの」
「そう。任せて?飛び切り可愛くしてあげる」
「お願い」
優鞠に髪をまとめてもらう間に、昨日あった事をまとめて話す。
「……ごめん」
「なんで優鞠が謝るの?」
「私が花魁が来ること、ちゃんと説明しておけば……。もう誰かに聞いてると思って言わなかったの……」
「気にしないで?確かにちょっと喧嘩したけど……ちゃんと仲直り出来たし……」
「……そう?」
「うん。それにね、更に政宗の事好きになった気がする」
「あら、それはお熱いことで」
優鞠が微笑みながら茶化す。
「……優鞠こそ。昨日家康と何処に行ってたの??」
「……ちょっと遠出していい景色見て……美味しいご飯食べて……ゆったり過ごした……それだけだよ?」
「ふぅーん……(朝帰りじゃん……まぁ私もだけど)」
「もう。からかってる?」
「ふふ。ごめん。」
「ほら、出来たよ」
「……やっぱり優鞠に頼んでよかった……可愛い」
「そ?喜んでもらえて良かった」
「ありがとう」
「どういたしまして」
着物を着替えて、帯を締めようとすると優鞠が手伝ってくれた。
「せっかくなら、帯も可愛くしなきゃ」
「ありがとう……」
手際よく絞められた帯を鏡越しに見ると、可愛らしくリボンの様な形をしていた。
「すごい……」
「可愛いでしょ?」
「今度やり方教えて?」
「もちろん」
「ありがとう……支度手伝ってくれて」
「いいの。私も楽しんでやってるし。楽しんできて?」
「うん……じゃあ行ってきます」
「気を付けてね」
優鞠に見送られながら部屋を出て城下へと向かった。