第42章 〜42〜番外編①
「今日は俺の言う事聞けよ?」
「え?」
「……仕置きしてやる。」
耳元で囁かれて口付けを落とされる。
「っ……なんで……」
「俺が、どんなに寂しい気持ちでいたか思い知らせてやる」
「え……?」
政宗は帯に手を掛けながら呟く。
「花魁がいる宴に行くってのに、惚れた女に何も言われない悲しみがわかるか?」
「ごめん(根に持ってる……)」
「試されてるんじゃねぇかと思った」
「試す?」
政宗は少しだけ悲しい顔で私の腰を手で撫ぜる。
その甘い感覚に意識を持っていかれながら、なんとか政宗の言葉を聞く。
「俺が花魁と浮気しないか試されてるんじゃないかってな」
「そ、そんなことしないよ……肩に触れてただけでも……あんなに嫌だったのに……!」
「ふ、無駄な心配だったな」
政宗は首から鎖骨へと口付けを落としながら笑う。
喋りたくても、その感覚に意識が奪われそうになる。
「んっ…………今回は私がっ……全部悪いの……」
「……そうだな」
私が一言話す度に胸元に口付けられ、息が詰まりそうになりながらも必死に言葉を紡いだ。
「っ……私が……花魁を見たいってだけで……皆の忠告とかっ……何も考えなかったから……」
「あぁ」
するりと脚を撫でられ、咄嗟に脚を閉じる。
「っはぁ……」
「それで?」
「……勝手に……嫉妬して……ごめんね……っ……あと……」
政宗の身体が離れたかと思ったら、脚を持ち上げられ爪先から順に口付けを落とされる。
「んんっ……(恥ずかし……)」
「後はなんだ?」
「あっ………んっ……」
「どうした?」
涙目になっている私をニヤリと見下ろしながら政宗ならが聞く。
「政宗の……気持ちまで……ちゃんと考えなくてごめん……」
「あぁ、わかったか」
脇腹をするすると撫でられて、無意識に背中が反り上がる。
「んんっ……やぁ……」
「お前脇腹弱いよな」
「そんな触り方されたら無理だよ……」
火照り始める身体を抱え、恥ずかしさで顔を背けると、頬を両手て掴まれて政宗と目が合った。
「……っ……」
「まだまだこれからだぞ?」
「……う……ん……」
「ふ、いい子だ」
楽しそうな政宗に口付けられ、素直に首に腕を回し、何度も口付けを交わし、恥ずかしながらも心地良さに目を閉じた。