第42章 〜42〜番外編①
廊下に出て一息つく。
「ふぅ。綺麗だったなぁ……」
(同じ女とは思えない……信長様と東雲さん……お似合い過ぎる。美男美女って何処の時代にもいるんだな…………)
広間からは楽しそうな声が聞こえてくる。
お楽しみの時間を邪魔をしないよう歩き出す。
(浮気なんて心配してないけど……やっぱり政宗が自分以外の女の人と話してるの見るのって……あんまりいい気はしないな……まあ、呼ばれてない宴に無理矢理参加した私が悪いんだけどね……)
花魁を見れた嬉しさと、もやもやした小さな不安を抱えながら広間の前を通り過ぎて、部屋に戻ろうと歩いていると後ろから声をかけられた。
「かわいいお嬢さん」
「え……?」
私が振り向くと、東雲さんが立っていた。
「どうしました?宴は……」
私が驚いていると、東雲さんはスッと手を差し出した。
「……?」
近づいてその手を見ると、見慣れた簪が乗せられていた。
「あ、それ!」
「やっぱり」
東雲さんはそう微笑むと私の後ろに周り、簪を挿しなおしてくれた。
「あ、ありがとうございます……」
「ふふ、かわいい子ね」
顔を覗き込んで微笑まれ、あまりの綺麗さにドキリとして思わず後ずさる。
「どうかされました?」
「いえ……東雲さんが綺麗すぎて……」
「まあ、嬉しい」
東雲さんは私の手を持ち上げ、きゅっと握りしめる。
「あの……えっと……」
「ふふふ」
狼狽える私が面白いのか、東雲さんは手を離そうとしない。
どうしようかと困っていると、広間の方から声がした。