第42章 〜42〜番外編①
私が嬉しそうに笑っていると、光秀さんが呆れたように言った。
「お前も呑気なものだな」
「……何がですか」
「政宗も参加するんだぞ?」
「……そうですね」
私が首を傾げると、光秀さんは笑いながら言った。
「政宗も不憫だな。惚れた女に宴に参加することを咎められもせず、さしては己も参加させろと言い出すとはな」
「咎める……?」
「政宗と花魁が密通するかもしれない。そんな不安はないのか?」
「……密通……あぁ!(浮気するかもってことね)」
「ふ、その様子だと、考えてすらなかったようだな」
「……はい」
「お前は浮気に寛容なのか?」
「まさか。でも、政宗なら大丈夫です」
「ほう、やけに自信があるようだな」
「ふふ、信じてますから」
私がそう言うと、光秀さんは馬鹿にしたような口調で冷やかした。
「ほう、それは羨ましいな」
(……よく言う)
にやりと笑う光秀さんを無視して、信長様に向き直る。
「じゃあ、最初に少しだけお邪魔します」
「あぁ」
そう信長様と約束して私は天守を後にした。
「光秀」
「はい」
「特に心配などしてないが……今回は東雲が来る。」
「分かっております。」
「恐らく、政宗がどうにかするとは思うが。気にしておいてやれ」
「はっ」
光秀は頭を下げ小さく笑いながら答えた。