第40章 〜40〜
「…………」
黙り込む私の隣に政宗も腰掛ける。
「……怖いか?」
「……怖くないよ……緊張してるの……」
「そうか」
政宗は私の手を取ると、平に軽い口付けを落とす。
「ん……くすぐったい……」
掌にかかる吐息のむず痒さに耐えていると、政宗は私の手を自身の胸へと運んだ。
「……あ……(鼓動が早い……)」
「俺も緊張してるに決まってるだろ?」
「……そうなの?」
「当たり前だ。こんなに好きな女を抱くのは初めてだからな」
「……っ……」
「前にも言ったが……俺はお前が欲しい」
「……うん……」
「でも、お前が嫌なら辞めてもいいぞ」
「え……」
「お前が嫌がるなら待つって言ったろ」
「……ううん。嫌じゃない。怖くもない。だから……」
私は空いた方の手で、政宗の頬に触れて、目を見つめて呟いた。
「私も……政宗が……ほしい……」
私がそう言うと、政宗は一瞬驚いた様に目を開き、気づいた時には押し倒されて、甘い口付けが降ってきた。
「……んっ……っ……はぁっ……」
唇が離れたと思ったら、首筋に小さな痛みを感じ、口付けられたのだと気付いた。
口付けが鎖骨から胸元へとゆっくり降りてくる。
「んっ……」
「………… 」
「政宗…………」
気がつくと、また目に涙が溜まってることに気がついた。
「泣くなって言ったろ?」
「ち、違う……嬉しいの……幸せで……」
「ったく……」
優しく頭を撫でられて、更に涙が溢れ出るのを感じた。
「……。優しくなんてしてやらねぇからな」
「……え?」
「俺がどれだけお前の事を思ってるか、教えてやる」
不敵に微笑む政宗にドキリとしながら答える。
同時に脚を撫で上げられて、身体が熱くなるのを感じた。
「んっ……教えて……」
政宗の襟を掴んで引き寄せ、自分から軽く口付けした。
「ふ、その言葉忘れんなよ?」
その言葉と同時に優しく身体に触れられて、今までに無い幸せを感じながら目を閉じた。