第39章 〜39~
御殿へと戻るという秀吉さんを見送り、優鞠と共に部屋へと戻る。
「じゃ、荷物取ったら行こうか」
「うん。」
襖を開けると、政宗が部屋で寛いでいた。
「あれ、政宗?何してるの?」
「おう。仕事が早く片付いたからお前に会いに来た」
「そっか……」
「ん?なんか用事あったか?」
「……うん。ちょっとね」
「……?」
「ん?」
「政宗様と一緒に行ったら?」
「え?ダメだよ、優鞠付いてきて」
「でも……」
「……いったい何の話だ?」
政宗に事の経緯を説明すると、秀吉さんと同じように、心配そうな顔で私を見た。
「……」
「大丈夫だよ。別に無理にそうするって訳じゃないし。私がしたいからそうするの」
「ならいいが……」
「……」
「もう、2人ともそんなしんみりしないでよ」
「わかったわかった。お前が決めたなら何も言わない、なぁ優鞠」
「……はい。」
「……さ。優鞠案内して?政宗も……予定無いなら付き合ってくれない?」
私が恐る恐る政宗を見た。
「お前の頼みを断る訳無いだろ。付き合ってやる」
「ありがとう……」
私が少しだけ不安に思っていたのに気がついたのか、政宗が私の頭をくしゃりと撫でた。
「大丈夫だ。」
「政宗……」
「おう。」
私を見つめる顔が優しくて、不安なんて一瞬で消えてしまった。
この人のためにも、ちゃんとケジメを付けたいと心から思った。
「じゃあ行くか」
「うん。」
私は押し入れから荷物を取りだし、腕に抱えた。
「……よし。」
政宗と優鞠に続いて部屋を出た。