第39章 〜39~
運ばれて来た食事に手を合わせてから食べ始める。
「……優鞠」
「は、はい。なんでしょう?」
「家康とどうなった?」
「え……」
突然の話題に私は驚いて優鞠を見た。
が、優鞠も同じくらい驚いていた。
「今朝用事があって家康の御殿に顔を出したんだ。そしたら、過去ないぐらい機嫌が良さそうだったから……お前と何かあったのかと思ってな」
秀吉さんはニヤリと笑いながら優鞠を見る。
「優鞠……秀吉さんに……」
「……成り行きで……話しちゃったの」
「へぇ……(どんな成り行きだったんだろ……)」
「あそこまで機嫌がいい家康は珍しいからな。多分お前が関係してると思ったが違ったか?」
「えっと……」
「ふふ、秀吉さん。その通りだよ」
「やっぱりそうか」
優鞠に変わって私がそう言うと、秀吉さんは嬉しそうに言った。
「……はい。昨日……恋仲になりました……。」
「そうか。家康に聞いてもはぐらかしてばかりで……良かったな、優鞠」
「……はい」
優鞠は目にうっすら涙を浮かべて微笑んでいる。
「あいつが今まで、女のことであんな嬉しそうなのは初めて見たからな。」
「そうなの?」
「ああ。俺はあいつが誰かと恋仲になったなんて話聞いたことないしな」
「へぇ……」
「多分……ずっとお前の事を……」
「?」
「いや、それは俺が言うことじゃないな。忘れてくれ」
「……はい」
秀吉さんの言葉に優鞠は首を傾げる。
(……子供の時からずっと優鞠の事を……ってことかな……。凄いな、家康……。そりゃ見たことないぐらいご機嫌でもしょうがないよね……よかった……)