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イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第36章 〜36〜







「あ、そうだ。」

「?」

「これ、返すね」


私は巾着を佐助くんに手渡した。


「ああ、最初会った時の……」

「うん。結局使わなかったけど、ありがとう」

「いえいえ」


私がメモを取り続けていると、佐助くんが思い出したように呟いた。


「さん」

「んー?何?」

「……君にお願いがあるんだ」

「お願い?私に出来ることなら何でもするよ?」

「そう言って貰えると有難い」

「?」


佐助くんはどこから出したのか、色紙の様な紙を私に差し出した。


「実はね、サインを貰ってほしいんだ」

「サイン……誰に?」

「徳川家康に」

「家康?」

「……君はあの人を呼び捨てで呼んでるのか……」


佐助くんは心底羨ましいという顔で私を見た。


「え、うん。そう呼んでいいって言われたから……」

「いいな……」

「好きなの?徳川家康」

「ああ。歴史ファンとして尊敬してる。織田信長も豊臣秀吉も好きだが一番は彼だ」

「へぇ。そうなんだ。」

「惜しくも、俺は敵陣営だから。言葉を交わすことは叶わない。だから……」

「ふふ、わかった。まかせて。」

「さん……ありがとう」


佐助くんは無表情ながらも嬉しそうな事が伝わって来た。


「佐助くんにはお世話になってるし、それ位喜んでするよ」

「一生の宝にする。」

「ふふ、大袈裟」







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