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イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第36章 〜36〜






「歴史や戦国武将についても結構情報が載ってるし……確かにこの時代の人見つかったらこの本は大変だ」

「そうでしょう?だから、燃やそうと思ってとりあえず隠してたの。」

「懸命な判断だと思う」

「ガイドブックはいいとして、あとスマホとか化粧品とか……明らかにこの時代に無いものだから……」

「まあ、使えないとしても持ってる分にはいいんじゃないかな」

「……でも、もし私が今でも先でも死んだとしたら、この鞄だけ残っちゃうじゃない?それで、後々未来で見つかって、戦国時代のものだって分かったらそれこそ歴史が変わっちゃう……ってか大変でしょ?」

「まあ、そうだね……」

「だから、佐助くんはどうしたのかなっ聞きたくて」

「俺は、全部整理してきた」

「え?」

「ほら、前にここに来た時、1度現代に戻ったって言ったよね?その時スマホは解約して本体自体処分した。それで、本当に身一つでこの時代に戻ってきたんだ。」

「そうなんだ……」

「君と同じように、後々に未来から戦国時代に行った人間がいるって分かればややこしい事になると思ったからね」

「だよね……」

「……3ヶ月後、1度現代に戻る?」

「……え?」

「持ち物だけじゃなくて、君は仕事とか家とかもそのままだから。まあ気持ちの問題だけど、残したままよりちゃんと自分で整理つける方がスッキリするかなって」

「……そこまでは考えてなかったな……」

「まあ、戻ったとしても再び戦国時代に必ず戻れる保証は出来ないけど」

「え?」

「この時代にいれば俺が君に詳しいワームホールの場所や時間を教えられるけど、現代にいる君に伝える手段はないからね。」

「……」

「ワームホールは急に場所が大幅に動いたり、現れる時間のズレが生じたり、そもそも予想していた時に現れない事もある。」

「……そんな難しいものなんだ……」

「だから、君や俺が同じ時代に飛ばされたことは奇跡よりもずっとすごい確率なんだ」

「……そっか」

「たとえ上手くワームホールが現れても、戦国じゃない時代に飛ばされる事も無くはないだろうし……」

「……ごめん。その危険な賭けに出る勇気はない……」

「だよね。だから試しに1度帰るって言ったことは忘れて」

「……うん。」





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