第35章 〜35〜
今の騒ぎで秀吉さんが私たちの元へ駆け寄ってきた。
「おい、大丈夫か」
「秀吉さん……(来てくれるの遅いよ……)」
「こいつが間違えて酒を飲んだんだ」
「珍しいな……いつも飲まないように気をつけてるのに」
秀吉さんは不思議そうに首をひねるが、光秀さんは面白そうに笑っている。
(……この人に逆らうのはやめよう……)
「ん?どうした?」
「あ、ううん。なんでもない。」
「そうか?」
「うん。それより、朝まで起きないなら……布団まで運ばなきゃ……」
「朝までその辺に転がしておけ」
「光秀さん……(誰のせいで……)」
「まあ、そう睨むな」
「睨んでません(だって怖いから)」
「(?)……おい、三成」
秀吉さんが三成君を呼んでくれた。
「秀吉様……政宗様……もしやお酒を?」
「ああ、間違えて飲んだらしい。近くの部屋まで運ぶ。悪いが手伝ってくれ」
「かしこまりました」
「あ、私も行くよ」
「ああ。」
そう言うと秀吉さんと三成君は2人で政宗を抱えてゆっくり歩き出す。
「ごめんね」
「気にするな。どうせお前1人じゃ運べないだろ」
「うん。無理……」
「先に行って布団敷いといてくれるか?」
「わかった。」