第26章 〜26〜
「優鞠は……その人と……恋仲になるつもりないんでしょ」
「……ないよ……私の勝手な想いだし……伝える気もないし……」
「そっか。じゃあ」
家康は優鞠の頬にそっと触れる。
優鞠の肩が微かに揺れた。
「まだ……俺が入り込む隙間があるってことだね」
「……家康?」
「決めた。」
「……なにを……」
「絶対俺に惚れさせる」
「え……ちょっと」
「友達なんて生温い関係なんていらない。俺は……優鞠が欲しい」
「……家康……」
顔を真っ赤にさせた優鞠が愛しくてたまらなくなった。
もっと優鞠に触れたい。
「優鞠……今度こそ覚悟しておいてね」
家康はそう言うと、優鞠の額にそっと口付けた。
「……!」
「ふふ、かわいい」
「……もう……」
「優鞠が嫌なことはしない。誓うよ」
「今物凄い困ってるんだけど……」
「でも……嫌じゃないでしょ?」
「…………」
優鞠が小さく頷いたのをみて、笑みがこぼれる。