• テキストサイズ

イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第26章 〜26〜





「でも……簪さすことあんまりないの。仕事中はさせないし……」

「じゃあ、今度それ付けて出掛けよう」

「え?」

「休みの日。それならいいでしょ?」

「……そうだね」


優鞠はまた悲しい笑顔になってしまった。
居た堪れなくなって、咄嗟に優鞠の腕を掴んだ。


「なんでそんな悲しそうに笑うの」

「……え?」

「……俺に誘われるの……困る?嫌?」

「嫌じゃないよ!」

「じゃあ……困ってるんだ」

「…………」

「正直に言って」

「……この前……家康は私と友達になりたいって言ってくれたじゃない?」

「うん」

「あれ……やっぱり……」

「はぁ……もうそれはいいよ」

「……え?どういう……」



家康は優鞠が言い切る前に腕を引っ張り、自分の胸の中へ閉じ込めた。



「もう友達になってなんて言わない」

「…………」

「俺は……優鞠の事が好きだよ」

「え……」

「多分……子供の頃から」

「うそ……」

「嘘で俺がこんな事言うと思う?」

「……思わない……でも……」



家康はそっと優鞠の肩を起こして顔を見つめる。


「ふ、友達より困るって顔してる」

「……家康……」

「ごめんね」

「そんな……謝らないで……」

「困らせたいわけじゃないんだ」

「……」

「俺は……ただ、子供の頃みたいに優鞠に笑っていて欲しいだけなんだ」

「私………」

「優鞠、本当は好きな男いるんでしょ?」

「……なんで……」

「聞いた時、悲しそうに笑ってた。」

「そんなつもり……無かったんだけど……」

「その人は……誰?」

「……嘘をついたことは謝る……でもね、その人のことは……確かに……好きだけど……恋仲になりたいとか……そういうんじゃないの」

「どういうこと?好きなんでしょ?」

「好きっていうか……憧れ……っていうか……」

「憧れ……」

「そう。昔……助けてもらったから……感謝というか……」




(昔……助けてもらった……って……まさか……秀吉さん……?)





/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp