第20章 〜20〜
2人は食事処で昼食をとり、また町を歩き出す。
「美味しかった。ごちそうさまでした。」
「おう。じゃあ平昌ん所でも行くか」
「あ、うん!八百屋さん見たい」
「こっちだ」
もう当たり前のように手を繋ぎ歩く。
(傍から見れば恋人に見えるのかな……。地味にさっきから見られてる気がするのは政宗が武将だからだよね。)
先ほど町についてから、町人達がちらちらと政宗の事を見ては挨拶してきたり、女の子達は話しかけては来ないものの、遠目で見ては女の同士でコソコソ話している。
(あれ、『何よあの女』的なやつかな……。変に目をつけられるのは嫌なんだけど……この手を離すのは嫌だなぁ……)
私がそんなことを考えていると、八百屋さんに着いたようで政宗が止まった。
「、ここだ。おう平昌。」
「わぁ、すごい……色んな野菜……あ、果物もある……」
「いらっしゃいませ。政宗様、お嬢様、ゆっくり見ていってください。」
「ありがとうございます」
亭主に挨拶して、店内を見渡す。
思ってた以上の野菜の種類が並んでおり驚いた。
どの野菜がどの時代からあるのかまで分からなかったが、だいたい日常で使う野菜は揃っていてどこか安心した。
「私の時代とあんまり変わらないな」
「そうなのか?」
「うん。」
野菜を見てると、久々に料理が作りたくなる。
この時代、調味料とか何が使われてるのかな……
肉や魚はどんなのがあるのかな……
イタリアンとか……作れるかな……
などと私が野菜を手に色々考えていると、政宗が笑っているのに気がついた。