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イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第20章 〜20〜






「ほら」


政宗が私の纏められた髪に優しく簪を挿してくれた。


「え、ちょっと……」

「ん。似合ってる。欲しかったんだろ?」

「うん……でもお金……」

「ふ、気にすんな。俺が買ってやりたかっただけだ。行くぞ」


政宗はそう言って私の手を取り歩き出す。
店主は微笑ましそうに私に手を振る。
私は軽く会釈して政宗の後を着いていく。


(どうしよ……嬉しいけど……申し訳ないな……)


「ま、政宗……」

「んー」

「……なんで簪買ってくれたの……」

「だから。俺がお前に買ってやりたかったんだ。気にするな。」

「……ごめん、私のためにお金使わせちゃって」


私が申し訳なく顔を俯かせると、政宗が人通りの少ない所で立ち止まり私の方を向いた。


「そんな言葉ならいらねぇ」

「?」

「せっかく買ってやったんだ。他に言うことあるだろ?」

「……ありがとう。一生大切にする。」

「大袈裟だな」

「だって……嬉しいんだもん」


私がそう言いながら簪をちょんっと触る。
すると政宗が私を見つめてるのに気がついた。


「ん?」

「いや、なんでもねぇ」

「そんな見つめないでよ……」

「いいだろ、減るもんじゃない」

「そりゃ減りはしないけど……(恥ずかしいんですけど)」

「何照れてんだ」

「……照れてない……」

「ふっ、そうか」


政宗はすっと私の頬に手を伸ばす。


「!!」

「顔赤いぞ」

「……政宗が悪いんだよ」

「んー?」

「もう……」


そんなことを言いつつ、振り払うつもりも無くて。
触れられて嬉しいなんて思っている自分がいて、政宗への気持ちを認めるしか道はなかった。




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