第6章 最悪な目覚めに最悪な出来事
ベッドで撃沈してると部屋の扉がノックされた。
『誰だよ....』
「俺」
また、オレオレ詐欺か!!と言いたくなったが、さすがにもう声で分かる。
『琢磨か…入れよ』
そういうと、琢磨が入ってきた。
「大丈夫か?その......腰」
何故か、申し訳なさそうに言ってくる。
『何だよ....いじめにきたのか?』
「ちげーよ。処女だったんなら辛いだろうなと思って」
『あぁそうですよ。処女でしたよ。経験ないですよ。腰痛いですよ。』
「何いじけてんだよ....」
『まじ、背中も痛い...何故か足も筋肉痛.....』
イライラしながら、ブツブツと文句を言っていると、
「大丈夫か?マッサージしてやろうか?」
と琢磨が言ってくれた。
『うん、よろしく』
遠慮などしない。本当に辛いのだ。
ベッドにうつ伏せになり、待機する。
琢磨がベッドに乗ってきたようで、少しベッド軋む音がした。
『やべえ、最高.....』
琢磨のマッサージは、本当に最高。
力加減が絶妙で、うとうとしてしまう。
足もマッサージしてくれるらしく、足を揉み始めた。
「肌、スベスベだね」
そういって、足を指でなぞる
『ぁ.....ちょ、くすぐった...!』
「何、その声.....///」
ボソッとつぶやいたが私には聞こえなかった。
黙々と、マッサージをしてくれる琢磨に心の中でお礼を言いつつ、夢の中へ旅立っていった。
「おやすみ」
そう言って、俺にキスした事なんて眠ってしまった俺には分からなかった。