第5章 マスクを返してください
お風呂からあがると何故かマスクとパンツがなかった。
『....いやいやいやいや。何?いじめ?』
俺なんかしたっけ?
原因が思い当たり過ぎて……
まあこんなことするやつ一人しかいないけど。
取り敢えずパーカーをはおり、短パンスウェットを履き、犯人の部屋へ向かった。
もちろんフードつきパーカーなんで、フードを深く被ってる。
『おい、変態』
ノックもせず部屋に入る。
「なあに、ゆうちゃん?」
ニヤニヤとしながらこちらを見てくる。
うわ、うざっ。
『絶対テメーだろ。』
「これのこと~?」
変態の手には私の大事な大事なマスクちゃんがあった
『返せよ。』
「顔見せてくれたらいいよ。」
『やだ。返せ。』
無理やり取ってやる!!と思い、マスクに手をのばす。
しかし、腕を引っ張られベッドに押し倒された。
は?
「俺、気になることすぐ知りたいんだよね。」
さっきの声とは違い、低くて、身の危険を感じるような声。
さすが、暗殺者のリーダーさん。
フードを取ろうとするので、抵抗する。
『まじやめろ!気にならなくていいから!知らなくていいから!』
殴ろうとすると、頭の上で両手を拘束された。
『や、め.....』
フードがとられ視界が明るくなる。
『あ....』
バッチリと目が合う。
マスク越しに顔を見ていたけど、ムカつくくらいイケメン。
ここの住人はイケメンしかいないのか?
あ、天使がいるか。
なーんて、心の中ではふざけてたけど……
すぐ目の前にある変態の顔から目が離せなかった。